【第4回 迫田社長さんのヒントのミナモト】

東京 自由が丘 モンブランさんの3代目社長さん―迫田社長さんは、パティシエであり、(社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエという肩書きも持っていらっしゃいます。
と、言うわけで・・・
モンブランさんのサロンでは、各季節ごとにケーキに合うワインをいただくことが出来ます。
例えば、栗に合う
“貴腐ワイン”だったり、
チョコレートに合う
“ポートワイン”だったり。
現在、サロンでいただけるワイン・リキュールはこんなにあるんですよ!
辛口赤ワインは
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シャトー・ペイボンノム・レ・トゥール
(仏コート・ド・ブライ地方の厚みのあるボディー、秋から冬の寒い時期を意識して)
白ワインは
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ジェリコ
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ジュランソン(栗との相性抜群の甘口白)
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ブッシュミルズ(アイリッシュウィスキー)
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マール・ダルザス・ゲヴュルツトラミネール
(ワインを作る時に絞った皮を蒸留して作ったオードヴィー)
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コアントロー
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ベネディクティーヌドム(ハーブのリキュール)
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リモンチェロ
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カルヴァドス
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コニャックフラパン(チョコレートとの相性がよい香りのコニャック)
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シードル
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モエ・エ・シャンドン(シャンパン)1/2,1/4
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アスティー・スプマンテ(甘口スパークリング)
『10年ほど前に、ソムリエの資格を取ったんですが。』と迫田社長。
そのきっかけは、お客さんのご要望に応えようという迫田社長の誠意からでした。

『海外に行かれてレストランなどで食後にリキュール入りのコーヒーを楽しむという文化をご存知だったお客様が多かったようで・・・
グリューワインやアイリッシュコーヒーなどのアルコール系を、ティールームで飲まれるお客様が増えてきたんですよ。それで、「じゃあ、ワインも置いてみよう。」ってことになったんです。そうしたらね、うんちくの好きなお客さんがずいぶんいらっしゃって、「なんでこのワインを合わせているのか?」などと、質問を受けるようになったんです。それで、ワインの勉強を始めました。』
そして、『せっかく勉強するのだから』と、ソムリエ((社)日本ソムリエ協会認定)の試験を受けてみることにしたんだそうです。
日々の仕事に、ソムリエの勉強。
ワイン漬の体は、もう壊れる寸前だったんですって!
しかし、迫田社長はソムリエ((社)日本ソムリエ協会認定)の試験に合格し・・・
そのおかげで、今はすっかりモンブランさんのサロンでの定番商品となったワインメニュー。
いまの時期のオススメはどのようなワインなのでしょう?
『今なら、かぼちゃ、サツマイモの皮の風味と“
ジェリコ”という白ワインの相性を愉しんで貰いたいと思います。』と迫田社長。
“
ジェリコ”と言うのは、『米カルフォルニア産のオーガニック・バイオダイナミック農法で作られたシャルドネ種をオーク樽で寝かせた白ワインです。ヌッティーなこくと後味に残る苦み、渋みが秋の味覚タルトに使われているかぼちゃ、サツマイモのホクホク感ではなく、むしろ皮の部分の根菜系特有の香りとのバランスがGood!』
なんだそうです。
まさに、今ならではの愉しみ方ですね。

それと・・・
『もう一点、チョコレートには通常“
バニュルス”というリキュールを合わせるのが一般的ですが、何本も試飲した中で、自分でも驚く程カカオの風味とピッタンコだったのが“
テイラー”というポートワインです。』
迫田社長さんが、『是非、お奨めしたい』と言うワインだそうですよ!!
これから、寒くなってきてチョコレートを特においしく感じる季節です。
チョコレートを食べる・・・そんなとき、迫田社長オススメの“
テイラー”を試してみてはいかがでしょうか?
『フランス産のワインということに固定観念は持っていないんですよ。』と言う迫田社長の選りすぐった、ワインは、迫田社長さんが本当においしいと思ったものばかり。
そのポリシーは、お菓子の素材に対しても同じだそうです。
固定観念にとらわれず、いろいろなところで、ヒントのミナモトを得ているんですって。
『お菓子一筋で勉強され続けることも素晴らしいことですが、私はけっこうお菓子以外のことからヒントを得てお菓子を作ることのほうが多いんですよ。』
例えば・・・
『お茶の勉強会に行ったんですよ。この勉強会は、お茶の立て方と言うだけではなくて、「お茶の世界とはこういうものですよ」っていう ―招待されたお客さんのマナーとか亭主はどのようにお客さんをもてなすのか、花や掛け軸・しつらえのバランス、それらがお客さんにはどのように見えているのか、などを勉強するような会だったんですけれど。 5年くらい続けていたんですが、学ぶことは多かったですね。そうやって学んだことがお菓子つくりにつながっていることが多いんですよ。』
モンブランさんのチョコレートメニューのひとつに“ごぼう”をチョコレートコーティングしたものがあります。
『これは、お茶うけに出してもらった“花びらもち”からヒントを得たんですよ。』と話してくださった、迫田社長さん。
『花びらもちにはさんである煮ごぼうをみて「あ、お菓子でごぼうって使えるんだ。」と思ったんですよ。お菓子だったらどんなものがあうか考えていったらラベンダーの蜂蜜に行き着いたんですけど。ラベンダーの蜂蜜にしょうがを入れて、ごぼうを漬ける。何日間かかけて少しづつ糖度をあげていって、コンフィを作るんです。それを乾かしてチョコレートでコーティングして。 よくオレンジにチョコレートかけてあるでしょ、あのイメージです。これが、「面白い」って言って、この間ベルギーのマイユのシェフがやってきたときには、絶賛してましたね。』
ごぼうをチョコレートでコーティングしてしまうなんて!!
なんとも思いつかなかった発想ですよね。

『日本で昔からなじみのある素材なので食べてみるとホッとするというか、食べ飽きない・また食べたいと思える味なんですよ。固定観念にとらわれずになるべく日本の素材にもチャレンジしています。』
日本の素材には、ベルギーのシェフも興味深々だったようです。
特に“わさび”のあの「つん」とした辛味がなんともお気に入りで、近頃岩塩やエピス系が流行っているという ベルギーに持って帰られたそうです。
今頃、ベルギーのマイユさんのショーケースには“わさび味のボンボンショコラ”が並んでいるかもしれませんね。
モンブランさんとベルギーのマイユさんの勉強会は教えてもらうばかりではなく、今ではお互いに情報交換をする場となっています。
―と言うのも、日本の洋菓子文化・技術が発達し浸透したからで、日本のもともとの文化をあわせたものが、さらに洋菓子界を進歩させているからです。
日本と言う国の文化には様々なエッセンスが含まれている・・・
例えば、日本特有の文化である「能」からも迫田シェフはお菓子に通ずることを学んでいらっしゃいました。

『「能」に使っているお面というのは、同じお面でもその角度によって喜・怒・哀・楽を表現することが出来ますよね。ケーキに飾るチョコレートの部品でも同じなんですよね。ほんのちょっとの角度の違いで、お菓子って見え方が変わってくるんですよ。暗さ・悲しさを表現することも、生き生きとした様子・明るさを表現することも出来る。 この違いは「何度」と言うのではなく、自分で見てその表情の違いを感じ取るしかないんですよね。』
『今でこそ分かるのですが・・・』という迫田社長も、工場でお菓子を作り始めたころは、先代社長にちょっとした飾りの角度の違いだけで「こんなの店に出せない!」とおこられたこともあったそう。そのときは、『なぜだめなのか良く分からなかった』んですって。
『まじめにお菓子の本を読んで勉強をしている子も多いでしょうけれど、絵を見たり・映画を見たり・音楽を聴いたり・楽器をやったり・・・いろんなことに興味を持ってやってみることでいろいろ学ぶことも出来ますから。いろんなことをして自分で感じてほしいですね。』
迫田社長さんのように、―『固定観念にとらわれずにチャレンジしてみる。』―

だからこそ、3代にもわたる創業70年のモンブランというお店が、古さを感じたりせずに、今も「安心・安全・ホッとするけど、いつ行っても新鮮で楽しい!」存在でいられるのです。
今年77周年を迎えた、自由が丘という街のように。
これからも、迫田社長の中ではチャレンジしたいことがいっぱいなんだとか。
どんなふうに「新鮮」を感じさせてくれるのか楽しみです!!!
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