【第3回 キャトーズ・ジュイエさんに並ぶお菓子たち】

店先にはトリコロールが翻り、店内には宝石のようにきらめくケーキが並び・・・
自家製のショコラやグラス・ソルベまで。焼き菓子も、もちろん数多く揃っています。
「菓子屋」と言う名の通りに常に最大限の商品展開をしているキャトーズ・ジュイエさん。
『
ケーキはプチガトーと呼ばれるもので35種類ほどですね。特に何種類っていうのは決めていなくて、数えているわけでもないので大体常に35種類くらいはあるっていう感じです。
ショコラやグラスはオープンしてまもなく始めてから今も続けて作っています。常温で販売できるタルトやパンなんかも始めて・・・ 最近はようやく本当のフランス菓子をやっていけるようになってきましたが、はじめは売れなくて大変だったんですよね。』
今でこそ、“ショコラティエ”なんて言葉もお菓子にちょっと興味を持っている人なら知っているような時代ですが、15年も前、1個130円のトリュフやボンボンをお店で売っていると・・・「このトレーに乗ってるの全部で130円なの?」と聞くお客さん、「1個130円なんて高すぎる!!」と怒り出すお客さん・・・いろんなお客様がいらしたそう。
『
はじめは全然売れなくて、それでも作りたてのおいしいショコラを食べていただきたいと、効率はとても悪くても1種類20個づつでも作っていくようにしていましたね。「そんな作り方してるんだったらやめたほうがいい!」なんて言う方もいましたけど、それでもショコラもやることが本当の菓子屋だと思っていましたから。』
そう言ってショコラを作り続けてきた結果、いつの間にか人気商品となったキャトーズ・ジュイエさんのショコラ。
『
作るのが精一杯になってきて・・・それでも去年までは、色々と工夫してやっていたんですよ。あめのランプで温度調整しながら、網の上にガナッシュを置いて。コーティングのチョコレートをかけて風を当てて余分なチョコレートを落としていってって・・・ エンローバー(ガナッシュをチョコレートでコーティングするコンベアー式の機械)のメカニズムを手動の作業に置き換えてやっていたんです。』ようやくエンローバーを使うようになったのは、去年の12月のこと。
最近では季節ごとにテーマに沿ったチョコレートを展開しているんだそう。
『
今年は「暑い夏の季節でもおいしいショコラを」と「夏ショコラ」を置いています。トロピカルフルーツ系のものや、ちょっとスパイシーなものをそろえました。秋には、和素材をテーマにやっていこうかなって考えています。和三盆の生クリームや黒砂糖風味のチョコレートクリームにダックワーズ生地、フィアンティーヌのようにそばの実とチョコで食感を出したものの組み合わせのケーキなどを出す予定です。』
お店がオープンして以来、職人であり経営者でもあるオーナーシェフという立場から、自分がやりたい商品とお客さんに求められている商品つくりの間で紆余曲折、常に進む道を探しながらやってきたという白鳥シェフですが・・・

『
もちろんお客様に合わせるものもあり、提案していくものもありでいいと思うんです。チョコレートやパートドフリュイやグラス、ヌガーとかキャラメルとか、フリュイデキゼとか、そういったバリエーションでも今年はコレって決めて色々と提案していきたいなって思ってます。』
とはいえ、それだけのバリエーションで商品を作っていくというのは大変なこと。
白鳥シェフがこれだけのお菓子を生み出していけるのはどうしてなんでしょう?
『
それは経験ですよ。自分の中にある膨大なデータです。』と言い切る白鳥シェフ。

『
若いときに、オー ボン ヴュー タンの河田さんにあるお菓子について質問したことがあるんです。そしたら河田さんから「お前は、菓子屋なんだったら自分で考えろ」って言われたんですよね。それからは、細かい配合を全部調べていったんです。例えば、クッキーについてだったら、ありとあらゆるクッキーのレシピを集めてくる。本だったり、人から教えてもらったものだったり、全部です。そして分析していきます。それぞれの材料のパーセンテージを出していくんですよ。そして、砂糖についてパーセンテージの少ないものから並べてみる、バターの少ないものから並べてみる、粉、卵、とやっていく。そうすると、なるほど、これはこういう食感なんだというのがつかめてきます。それが分かれば、こういう食感のものが作りたいと思ったときにどこをいじればいいのか分かるようになってきて。大体思うようなものが作れるようになりますよ。』
白鳥シェフはあるときこの分析の表つくりにはまり、パンについて、アイスについても分析したそう。
『
ガナッシュだってそう、これ以上入れるとかたまらないとか硬すぎるとか分かってきます。そういうのが楽しかったですね。』
「お菓子」というものにしっかりと向きあう姿勢を常に持ちつつも、『菓子屋はあらたなものをつくり出していくクリエーターの部分も持っているんですよ。』という白鳥シェフ。
今年4月 東京丸の内にオープンした、キャトーズ・ジュイエ TOKYOも、白鳥シェフのクリエーティブな部分だったのでしょうか?
次回 第4回は、菓子屋のクリエーターとしての部分をお伺いしていきます。
お楽しみに!
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