オフィシャルサイト スポンサー
  • 中沢乳業株式会社
  • 株式会社アニー
チームJAPAN協賛企業
ゴールドスポンサー
シルバースポンサー
特別協賛
http://blog.annie.ne.jp/wptc/index1_0.rdf

WPTCとは?

WPTCとは?
WPTCとは、2年に1度アメリカで開催されている製菓の国際コンクールです。いわば、お菓子のワールドカップ!
2008年度で4回目を迎え、フランス リヨンで隔年開催されている“クープ・ド・モンド ドゥ ラ パティスリー”と並び、世界のトップパティシエから近年注目を集めているコンクールです。



大会概要について


WPTC2008チームJAPANメンバーは・・・


WPTC JAPANオフィスメンバーの紹介


WPTC 大会結果一覧

WPTC大会の様子

WPTC2008 チームJAPAN 最新情報     vol 10      2008年08月26日(火)

WPTC2008 チームJAPAN 最新情報     vol 10

WPTC2008まで、ラスト5日!!



ナッシュビルに到着して3日。
チームJAPANのメンバーは、現地に届いた荷物の確認作業に追われています。

ブース内で使用するキャビネなども、チームJAPANがこの大会のために特注で作成したもの。
作業をスムーズに運ぶ為、ブースには徹底した機能性が必要になってきます。

キャビネの仕様は、シェフによっても違います。
川村シェフは、流したアメのパーツを収納できるよう、ラックつきのものを使用します。
機材を確認したら、特注のキャビネに機材などを収納していくこととなります。










チームJAPANが旅立ってから、日本は悪天候に見舞われ涼しい日々が続きます。
壮行会で、加藤代表が気に留めてられた「選手の健康管理」。
ナッシュビルでも、朝晩は結構涼しいとのこと。 そして、室内は強力な冷房のため寒いほどなのだとか。
ますます 選手の健康について懸念されます。


そんな、現地の環境の中で準備を続けるチームJAPANの支えは・・・
現地に同行しているスタッフの方の手作りすいとん。
大きなずん胴鍋にたっぷりと仕込んだすいとんは選手のココロもカラダも、ほっこりと癒してくれたことでしょう!


8月24日には、チームJAPANのチームマネージャーを務める後藤氏も合流されたそう。
その他のスタッフも、順次 現地入りし いよいよ現地での準備も本格化してきました!!


明日からは、このコーナーの中でチームJAPANのメンバーの意気込みをご紹介していこうと思います。





また、引きつづき皆様からの応援メッセージをお待ちしておりますので、投稿よろしくお願いします!!

メッセージの送り先はコチラから・・・  ニナのケーキワールド「ケーキ大好き掲示板」

Posted at 16:58 | '08 チームJAPAN | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008 チームJAPAN 最新情報     vol 9 2008年08月25日(月)

WPTC2008 チームJAPAN 最新情報     vol 9

WPTC2008まで、ラスト6日!!


8月22日に成田を出発した チームJAPANから、ナッシュビルに無事到着したとの便りが届きました!
手荷物も無事持ち込むことが出来たとの報告にひと安心。
まずは、第一関門突破ですね!

現地に到着したチームJAPANは、早速ステーキを食べてスタミナを充電したのだそう。
チームじJAPANの選手と共に、同行されている上村氏のレポートをご紹介します。



8月22日 午後2時に成田空港に集合した選手3名は、4時のアメリカン航空の便でLA経由でナッシュビルに向かいました。
成田では、あまりの荷物の多さにチェックインに手間取りました。(結構追加料金を払いましたが、それでもヨーロッパ便よりはずっと安いので助かります。)

 LAでは入国と税関の審査があります。いろいろと材料などももっているので不安は多いのですが、ここでは全く問題なく(ちょっと英会話の問題はありましたが)通りました。

3時間くらい乗継の時間があって、今度は国内線でLAからナッシュビル。東京ーLAが10時間、LA−ナッシュビルが4時間。待ち時間を入れたらそれこそ20時間くらいかかって、やっと到着です。
 ナッシュビルから会場となるホテルには自分たちでレンタカーで移動。今回は12人乗りのフルサイズバンで移動です。

ホテルに着いたのが夜の9時。荷物の整理をして、10時からやっと食事です。つかれた3人ですが、いきなりアメリカンサイズのステーキが夕食でした。このガッツがあれば、これからのアメリカ滞在も問題ないでしょう! 

レポート文・写真:上村氏


さて!
今頃は大会に向けて、現地での準備が始まっている頃でしょう。
出発前は、ナッシュビルの湿度の高さが心配されましたが、現在の気候はいかがでしょうか?

今後も現地からのレポートを交えて、チームJAPANの最新情報をお伝えしていきます!

ニナのケーキワールド「ケーキ大好き掲示板」では、皆様からの応援メッセージを募集中!
みんなで、チームJAPANにエールをおくりましょう!!


 
Posted at 15:48 | '08 チームJAPAN | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008 チームJAPAN 最新情報     vol 8 2008年08月22日(金)

WPTC2008 チームJAPAN 最新情報     vol 8

WPTC2008まで、ラスト9日!!


北京五輪での日本選手団の活躍に沸く日本ですが、こちらもいよいよです!

本日、WPTCチームJPANメンバーはアメリカナッシュビルに向けて旅立ちました。


8月1日に開催された【WPTC2008 チームJAPAN壮行会】では、スポンサー各社の方々やその他大勢の方からの激励を受けました。
チームJAPANの3人は、互いのメンバーについて称え、これまでの練習の中ではぐくんできたチームワークが最大の武器になるであろう自信を語ってくれました。
昨年11月より重ねてきた練習によって、作り上げた作品の完成度にも自信あり!!
優勝を勝ち取ってくることを力強く誓ってくれました。


WPTC JAPANオフィス代表の加藤氏からは、「チームJAPANは皆さんに夢を与えて帰ってくるという使命を受けて、これまで練習を重ね 当日を迎えようとしています。チームJAPANの結束には安心をしていますが、健康面には十分に気をつけてもらいたいです。」と、ナッシュビルと言う街の多湿な環境での戦いを支える健康面について気遣っておられました。


いよいよ、大会の開催まで10日をきりました。
まずはチームJAPANのアメリカ渡航の無事を祈って・・・・


がんばれ! チームJAPAN!!


Posted at 20:05 | '08 チームJAPAN | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008を徹底分析   ---lesson 8・2---     2008年08月22日(金)

---lesson 8・2---
シュガーピエス


今回は、第2回大会でシュガーピエスを担当された後藤シェフに ご自身の体験をもとにシュガーピエスについてお話を伺いました。


世界大会レベルのアメ細工ピエスを作るとき、もっとも最初に考えることはなんですか?全体のデザインですか?それとも、新しい技術についてですか?
ピエスを作るときに初めに考えることは、今までの流れを無視して新しいものを考えることです。「新しいもの」と言うのは、新しい技術だけではなく、もっと広い意味で「今まで誰もやったことのないもの」ということです。
過去の大会などで見たものを組み合わせるというだけでは、興味を引かれる作品にはなりません。
難しい技術を見せつけるだけではなく、新たに考え出したパーツを用いることで審査員に「インパクト」と言う印象をつけるのです。
どのようにすれば、「インパクト」を与えることが出来るかを考えることが 最初に考えることであり、もっとも重要なこととなります。

第2回大会のときには、WPTCだからこそ挑戦することが出来るパーツを生み出しました。
ピエスの左側の大きな白いパーツは「滝」に見立てた流しアメのパーツです。
このパーツは、流しアメを大きく流して それが少し固まってきた頃に、少し小さめに重ねてアメを流しました。そうすると、重ねたアメの熱で先に流したアメが溶け出します。
2度目のアメを流さずにしっかりと固まって出来た淵を持ち上げると溶け出したアメが底に引っ張られていきます。その状態で固めたものをカットしたものが「滝パーツ」でした。
何も難しい技術を使っていなくとも、アメの性質を理解して 工夫と調整を重ねれば、様々な新しいパーツを生み出すことが出来るのです。



世界大会レベルのピエスで、絶対に外してはいけないポイントは何ですか?
一言で言うとすれば、「完成度を上げること」。
ピエスの全形でいえば「インパクト」の追求も必要ですが、やはり「完成度」が何より大切なものになります。
全体の「完成度」を上げるためには、ひとつひとつのパーツを作る段階でパーツの「完成度」を上げておかなければなりません。
例えば、流しアメのパーツであれば、バリがないとか指紋がついていないとか、もしそのパーツを透明にしたいのであればとことん透明になるように仕上げることだとか・・・そういう細かいところからしっかりと取り組んでいくことで、そのパーツの「完成度」は上がります。
吹きアメのパーツで言えば、作りたい形・厚みにする為には どれくらいの量が必要かを調整したり 成形を始めるタイミング・アメの硬さを調整したりすることで、「完成度」の高いパーツを作っていくことが可能になります。それは、何度も自分で試してみてつかんでいくものです。
あとは、「自由な発想」を持って、作品つくりに取り組むことですね。



アメ細工では「艶」が大きなポイントになると思いますが、きれいな「艶」を出すためにもっとも重視しなくてはいけないポイントは? 引きアメの技術ですか?または豊富な材料の中からの砂糖の選択でしょうか?配合ですか?
それは、一概に言えないですね。全ては、バランスの問題です。
配合がいいとか悪いとかではなく、自分に合った煮つめ温度や引き具合を含めた技術、どんなパーツを作りたいかによって一番良い状態は変わってきます。バランスなんですよ。
引きアメの場合、どのように「艶」が出てくるかと言うと、煮詰めたアメをまとめて引っ張ることによって、アメの中に空気が入ってきます。空気の入ったアメの塊を引っ張っていくことで空気が管になって伸びていく。うまく引っ張っていくと、その空気の管がまっすぐ揃って伸びていきます。まっすぐ揃っていることがキレイな「艶」になるんです。
まっすぐ揃ってないものでは、いくら引いても綺麗な「艶」にならない。アメを引いて「艶」を出すということは技術のいることと言えます。

とはいえ、いくら引っ張ってもすぐに固まらなかったら「艶」は台無しになってしまいます。最高の「艶」が出たタイミングでアメがブロックしてこれば、最高の「艶」を維持することが出来るのですから、ちゃんと固まるアメを炊き上げないといけないでしょ。それは、配合ももちろん関係するし、煮つめの温度にも関係します。また、同じアメでも引きたいパーツが薄いものであればすぐに固まるけれど、厚みのあるパーツであればもちろん固まるまでの時間がかかります。ですから、バランスなんですよ。
自分の作りたいパーツによってこれらのことを調整しないといけないのです。

アメに使う材料としては、様々な種類の砂糖を使い分けることもあります。
一般的な“グラニュー糖”などは、引き上げたときに「艶」が綺麗に出るので、引きアメや吹きアメに利用する場合が多いですね。湿気に弱いという弱点はありますが、グラニュー糖の場合はアメが泣いてくるといって、溶け出してきます。その為、「艶」がなくなってしまったりします。

“パラチニット”という砂糖を使用される場合も多いのではないでしょうか。
この砂糖は、煮詰めても「しゃばしゃば」の状態になるので、流しアメなど細かい型の隅々まで容易く流し込むことが出来ます。流しアメに使っているパティシエも多いのではないでしょうか。ただ、“パラチニット”は転化しやすいという特徴も持っているので引きアメなどに用いて最大限の「艶」を追求するのには向いていないのかも知れません。湿気によって白っぽくなり、「艶」がなくなってしまうことがあります。

また、“フォンダン”を使用されることもありますね。“フォンダン”はグラニュー糖から出来ていて、既にそのものが転化をしているので、“グラニュー糖”に“水あめ”を加えて調整するといったレシピの手間を省くことも出来るため、もしかしたらコンクールなどに適した砂糖なのかも知れませんね。



世界大会でアメ細工ピエスに挑戦することで得られたことはどんなことがありますか?
コンクールに出ることで、一緒に出場したパティシエや審査員をした方々など、横のつながりが出来たことは、何よりの成果だったと思っています。
一生懸命になっている人とたくさん知り合えたこと、そのつながりが今でも続いていて、
何か困ったときなどお互いに知識を出し合って相談できる関係を作れたことで、いろんな意味で世界が広がりました。

























第4回大会でも川村シェフのアメ細工が注目されることは必至です。
前回大会でアメ細工を担当された林シェフのアドバイスも含めて、今回のチームジャパンは入念な準備を進めています。今年の日本チームは味覚、ピエス、作業、すべてのポイントで最高得点を狙っています。必ず優勝しますので、応援、お願いします!






解説:WPTCJAPANオフィス グランドハイアット東京 後藤氏
文:WPTCJAPANオフィス 上村氏 
編集:株式会社アニー  山田
Posted at 19:04 | '08 WPTC2008とは? | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008を徹底分析   ---lesson 8・1---     2008年08月21日(木)

---lesson 8・1---     
シュガーピエス


WPTCのアメ細工は下記のルールに沿って作られます。


----------------------------------------------------
A. ピエスの大きさは、テーブルの面からピエスの頂点を測った高さが3.6フィート(1.067cm)以上なくてはならない。また、ピエスの一部でも8フィートx30インチ(244cmx76.2cm)のテーブルからはみ出すことは許されず、ピエスの台座の高さは6インチ(15.24cm)以内でなくてはならない。


B. このピエスは完全に砂糖製品のみを使って作られなくてはならない。人工の、または非食品である骨組みの使用は禁止される。この規則に反する行為が判明した場合は、即刻審査対象外となる。なお、パラチニット/イソマルトの使用は許される。


C. 各チームはすべての作業をキッチン内にて行わなくてはならない。展示台の上で、ピエスの本体を組み立てたり、展示台にピエスを置いておく際に、何らかの支えとなるサポートなどを使用することは禁じられる。もし、キッチンから展示台まで運ぶ途中に、または、展示台上で展示している間にピエスが破損した場合は、一旦ピエスをキッチン内に持ち運び、修復した後、改めて審査のために展示台に載せることができる。


D. シリコン製、またはゴム製の型の使用は禁じられるが、作業時間内に、審査員の面前でシリコン、またはゴムで型をつくって使用することは許可される。ただし、半球、立方体、ピラミッド型、円形など、一般的なシンプルな型に関してはその持込を許可される。また、シリコンの型をその場で作る場合にも、元から出来上がっている彫像のようなものを型どりすることは禁じられるが、作業時間内に、審査員の面前で彫像自体を作り、それを型取ることは許される。


E. シャブロンやテンプレート、葉の型などはその使用を認められるが、すべての型はその使用が食品製造において安全であることが求められる。しかし、シャブロンは厚さ1/2インチ(1.27cm)を超えてはならず、またそれを積み重ねて、何らかの立体的な作品を作り上げることは許されない。また、テンプレートはどんな形であっても繊維を織られたものであってはならず、また、厚さは1/4インチ(0.64cm)以内でなくてはならない。テンプレートは、なにかを切り分ける際のガイドとしてのみ、その使用を許可される。審査員は、使用されている道具類が本大会規則から逸脱していると考えた場合には、その場でその使用を禁じること、もしくは何らかのペナルティーを与える権利を持つものとする。


F. パスティヤージュとシュクル・タッセの例外を除いて、すべてのパーツは競技中に審査員の面前で作られなくてはならない。飴を炊く作業も例外ではない。


G. 食品添加物として認められる色素のみ、使用を許可される。


H. パスティヤージュや飴のパーツをピエスに接着する際には必ず飴、もしくは砂糖製品を使用すること。グルーガンまたは接着剤の使用は禁じられる。この条項に違反した場合、即座に失格とみなされる。

ナッシュビルの湿度がかなり高いことを考慮して、参加者は飴細工のピエスに対し
食品加工用の艶出しラッカーを使用することが許される。


I. 各チームは使用する飴ランプを個々に持ち込まなくてはならない。


J. ピエスはその外観において下記要素が構成されていなくてはならない。すべての技術を使うことが求められるわけではないが、どのような技術をどの程度使うかということが審査員の配点に影響してくる。数多くの技術を用いることは配点の難易度の項目で評価されることになる。
-流しアメ
-引きアメ
-リボン
-吹きアメ
-パスティヤージュ
-型押しによるアメ


K. 各ピエスは下記の基準に従って審査される。
・テーマ性
・実際に製作されたピエスの事前に提出された文章に対する的確な具現性
・製作における詳細(どのように作られたのか)
・難易度(技術的には難しくないが外観がすばらしいピエスと、見た目にはそれほどアピールが無いが技術的にはかなり難易度の高いピエスとは同じようには評価されない。)
・ピエスの全体像(プロポーション、美しさ)
・ピエスの構造。どのように部品が組み立てられているのか
・パスティアージュの質
    ・飴の質
・芸術性
・色使い
・各部分の評価(・形 ・厚さ ・寸法、サイズ、プロポーション ・きめ細かさ)
・飴のピエスがチョコレートのピエスとどのようにバランスを取って、テーマを現しているのか。   
・規定のサイズにあてはまっているか。
・オリジナリティ
・アントルメの仕上げが飴のピエスとどのように組み合わさっているか。
----------------------------------------------------



ルールのほとんどはチョコレートと同様です。
型を使えないので、1.2cmのシャブロンとその他のパーツを組み合わせて大きなピエスを作ることになります。ピエスの構築自体はチョコレートピエスで説明したことがそのまま当てはまると思います。流れを出さなくてはいけないとか、壊れてはいけないとか。


ただ、アメ細工はチョコレート細工よりも技術が多いように思えます。チョコレートの場合流して固める、と言う作業に加えて、最近ではロボクープで粘土状に加工するようなこともありますが、それくらいが一般的です。しかし、アメ細工では流し飴、引き飴、吹きアメなど多くの技法があります。チョコレートピエスよりもボリューム感や流れは出しやすいのではないでしょうか。


実際作品を作る中でもっとも大変なことは、優勝を狙うためには多くの技術があるアメ細工のピエスにおいて、まだ誰も見たことがないような技術を見せる必要があるということです。


「新しい技術を見せる」と言う点で、これまで多くの日本人パティシエが世界で認められてきました。
今回日本チームの監督を務める後藤シェフは1995年のクープドモンドで、吹きアメで大きな鮭を作って話題になりました。後藤シェフを海外のパティシエに紹介するとき、「95年にサーモンを作ったパティシエ」と告げるとその場にいる人たちの顔色が変わるほどです。


2002年の第1回WPTCで日本チームは見事にアメ細工部門賞を獲得しています。
アメ細工を担当した喜島シェフは「これまで誰も作ったことがないような構成を考えた」とおっしゃっていました。それは、上から下まで流れを作りつつも、一番上に吹き飴のピエロを乗せて、真ん中には大きな花を飾った構成でした。遠くからみても近くから見ても、どこを見ても見るところがあるようなそんな迫力のあるピエスでした。
こういった高さのあるピエスは今では当たり前ですが、WPTCが開かれる前はもっと低めのものが多かったですし、これほど広い会場もなかったですから、第1回目にして、しっかりとした戦略でピエスをデザインした喜島シェフの作戦が見事に当たったようでした。


第2回大会は日本チームの機材が届かず、かなり苦戦を強いられました。
しかし、アメ細工は本当に大きな話題となりました。主として後藤シェフが飴細工を担当されましたが、3人のメンバーが全員飴細工を得意とする方々でしたから、3人が力を合わせないと出来ないパーツが沢山生み出されました。
幅が一メートル以上あるリボンや、大きな滝のような流し飴などです。機材のトラブルで思ったような形が出来なかったことは本当に残念でした。


前回、第3回大会はなんと言っても林シェフが大きな話題になりました。
大きくてきれいな花や、透明な流しアメも評判でしたが、もっとも大きな話題になったのは「繭玉」。風船をシュクル・フィレでおおって作るのですが、風船をつかった作業のアピールもあって会場全体の注目を一身に浴びていました。
しかし、残念ながら注目を浴びすぎた所為でしょうか、流しアメがしっかりと固まることが出来ませんでした。会場中のライトが林シェフを照らし、その熱量は想像を絶するものだったようです。あのアメ細工さえ完成していたら―というのは、いまだに悔やんでも悔やみきれません。






次回は、第2回大会でシュガーピエスを担当された後藤シェフに ご自身の体験をもとに
シュガーピエスについて伺ったお話をご紹介します。

Posted at 19:00 | '08 WPTC2008とは? | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008を徹底分析   ---lesson 7---     2008年08月19日(火)

---lesson 7---
チョコレート・ピエスモンテ


2日間 計13時間にわたり開催されるWPTC。その中で、各チームは下記のようなルールに基づいてチョコレートのピエスを作ります。


----------------------------------------------------
A. ピエスの大きさは、テーブルの面からピエスの頂点を測った高さが3.6フィート(1.067cm)以上なくてはならない。また、ピエスの一部でも8フィートx30インチ(244cmx76.2cm)のテーブルからはみ出すことは許されず、ピエスの台座の高さは6インチ(15.24cm)以内でなくてはならない。


B. このピエスは完全にチョコレートまたはカカオ製品のみを使って作られなくてはならない。人工の、または非食品である骨組みの使用は禁止される。この規則に反する行為が判明した場合は、即刻審査対象外となる。


C. 各チームはすべての作業をキッチン内にて行わなくてはならない。展示台の上で、ピエスの本体を組み立てたり、展示台にピエスを置いておく際に、何らかの支えとなるサポートなどを使用することは禁じられる。もし、キッチンから展示台まで運ぶ途中に、または、展示台上で展示している間にピエスが破損した場合は、一旦ピエスをキッチン内に持ち運び、修復した後、改めて審査のために展示台に載せることができる。


D. シリコン製、またはゴム製の型の使用は禁じられるが、作業時間内に、審査員の面前でシリコン、またはゴムで型をつくって使用することは許可される。ただし、半球、立方体、ピラミッド型、円形など、一般的なシンプルな型に関してはその持込を許可される。また、シリコンの型をその場で作る場合にも、元から出来上がっている彫像のようなものを型どりすることは禁じられるが、作業時間内に、審査員の面前で彫像自体を作り、それを型取ることは許される。


E. シャブロンやテンプレート、葉の型などはその使用を認められるが、すべての型はその使用が食品製造において安全であることが求められる。しかし、シャブロンは厚さ1/2インチ(1.27cm)を超えてはならず、またそれを積み重ねて、何らかの立体的な作品を作り上げることは許されない。また、テンプレートはどんな形であっても繊維を織られたものであってはならず、また、厚さは1/4インチ(0.64cm)以内でなくてはならない。テンプレートは、なにかを切り分ける際のガイドとしてのみ、その使用を許可される。審査員は、使用されている道具類が本大会規則から逸脱していると考えた場合には、その場でその使用を禁じること、もしくは何らかのペナルティーを与える権利を持つものとする。


F. すべてのパーツは競技中に審査員の面前で作られなくてはならない。


G. 食品添加物として認められる色素のみ、使用を許可される。


H. 接着時間を短縮するための冷却スプレーの使用は許可される。


I. チョコレートピエスにおいて、砂糖または砂糖製品を使用することは禁止される。


J. 各ピエスは下記の基準に従って審査される。

・テーマ性
・実際に製作されたピエスの事前に提出された文章に対する的確な具現性
・製作における詳細(どのように作られたのか)
・難易度
(技術的には難しくないが外観がすばらしいピエスと、見た目にはそれほどアピールが無いが技術的にはかなり難易度の高いピエスとは同じようには評価されない。)
・ピエスの全体像(プロポーション、美しさ)
・ピエスの構造。どのように部品が組み立てられているのか
・チョコレート作業の質 
・色使い
・各部分の評価
・形
・厚さ
・寸法、サイズ、プロポーション
・きめ細かさ
・チョコレートのピエスが飴のピエスとどのようにバランスを取って、テーマを現しているのか。

----------------------------------------------------



WPTCで最も特徴的な規定が「型」を使ってはいけないということです。12cmのシャブロンで作ったパーツを基本としてピエスを組み立てなくてはいけません。
競技時間が13時間あると時間的にかなり大きなサイズのピエスを作ることができるのですが、たった1.2cmの厚みのシャブロンしか使えないと、ひょろっとした出来上がりになってしまいがちです。そこで、競合各国は迫力あるピエスを作り出すために、さまざまな新技術を盛り込んできます。それがWPTCの面白さでもあります。



第1回大会で話題になったのは、アメリカチームのキャプテン ジャン・フィリップ・モーレィ氏が、細かいプラスティックシートにチョコレートをのばして それをサポートにのせてカーブをつけ、後から組み立てて虎の顔を作ったことです。
モーレィ氏のエアブラシの技術と相まって、型が使えなくてもこれだけ立体的なピエスを作ることができるのはかなり衝撃的でした。


第2回大会ではベルギーチームのMOFステファン・ルルー氏が競技中にその場で作った彫像をもとにゼラチンを使って型におこという技術で、新たな世界を切り開きました。
ゼラチンの型というのは、彼のピエスの中ではほんの一部分でしかなく、仕事の進め方を含め、すべてが完璧なルルー氏は間違いなくその年のヒーローでした。
同じ年の3月にMOF選考会では飴細工で話題になったばかりのルルー氏。その直後にWPTCに出場し、今度はとんでもないチョコレートピエスを作りました。彼のバイタリティには皆驚かされたものです。


そして、第3回大会では、何といってもチームJAPANの和泉氏が話題となりました。
様々な点で革命的なピエスでしたが、最も印象的だったのは「モデラージュ」という技術。「モデラージュ」とは、チョコレートをフードプロセッサーでかき混ぜて 粘土状にしたものを形作る手法です。今までちょっとしたパーツを作るのに使う人はいたのですが、練ったチョコレートを全面的に押し出した人はいなかったのです。

これは和泉氏の場合だけに言えることではなくて、どんな技術も今まで見たことはあっても、それを全面的に使ったのが新しい、という場合が多いのではないでしょうか。
逆にいえば、「革新的なピエスを作るためには新しい技術を使えばいいのか」というとそうではないのでしょう。

実際にコンクールに勝つためのピエスというのは、どのような方向性があるのでしょうか。3年程前にNYでMOFジャック・トレス氏と話した内容を振り返りながらご紹介します。彼からはいろいろと面白い話を教わりました。





1. 流れを作ること。
ピエスモンテというのは一つの流れをもっていること。たとえば、3つのパーツを組み合わせて大きなピエスを作る場合に、単純に3つのものが組み合わさっているように見えるのではなく、それぞれが流れとしてつながっていること。

2. 一つの大きな見せ場を作ること。
流れのあるピエスの中に、特に中心に最も目を引く部分を作ること。上とか下とかにあまりにたくさんのものが付いていると、見た目にうるさい印象を持たれてしまいます。

3. 壊れないこと。
チョコレートは分厚く作れば壊れないというものではありません。薄いパーツは薄く。丈夫なパーツは丈夫に作り、それらをうまく組み合わせることで壊れないピエスが出来上がります。


チョコレートのピエスを作るというのは、チョコレートを扱う技術を突き詰めるということと等しいと言えるはずです。チョコレートと一言でいっても、クーベルチュールからパータグラッセまで多くの種類がありますし、それぞれが違った特性を持っています。

単純に硬いチョコレートを使いたければ、カカオのパーセンテージ(%)が高いものを使えばよいでしょう。逆にパーセンテージ(%)の低いホワイトチョコレートを使うと、柔らかいので彫刻などがしやすくなります。
たとえば、大きなパーツを流すのには70%のものを使ってしっかりとした土台を作り、流動性の高さが必要になる細かいパーツは55%のものを使うとかいった使い分けも必要になってきます。こんな違いはピエスを作る上でほんの一つの例で、WPTCレベルのピエスを作るシェフたちはもっともっと突き詰めたチョコレートの知識を持っています。

チョコレートピエスは、パティシエの日々の仕事と少し違った側面があるかもしれませんが、チョコレートについて突き詰めて理解することは、チョコレートを使ったお菓子全般の技術向上にもつながるのではないでしょうか。



第2回大会にチームJAPAN のメンバーとして出場された朝田シェフに、経験を基にチョコレートピエスモンテについてのお話を伺いました。


世界大会レベルのチョコレートピエスを作る際に、一番最初に考えることはなんですか?
まず最初に考えるのはデザインだと思います。特に団体戦では、単体では無く他の作品とのバランスが非常に大切な事ですから、大きさ、色合い、形など色々な面から総合的に考える事が必要だと思います。                                
            
世界大会レベルのチョコレートピエスを作る際に、絶対にはずしてはいけないポイントはなんですか?流れ・色遣い・・・もしくは、チョコレートらしさですか?
もちろんチョコレートのピエスですからチョコレートの特性を活かした作品を作る事が重要ですが、やはり勝つ為にはオリジナリティーのある作品で審査員が驚くようなポイントを持っていることが必要だと思います。


繊細でありながら、壊れないピエスを作るための条件は何ですか?ピエスの構造ですか?カカオのパーセンテージですか?
これはチョコレートだけでなく飴細工などにも共通のことだと思いますがやはり、構造を理解し壊れない為のポイントを抑えることだと思います。このポイントさえ抑えていれば結構無理に思えるものでも強度は十分な作品を作る事ができると思います。


ご自身の経験上、世界大会レベルのチョコレートピエスに挑戦することで得られたことはどんなことがありますか?世界大会に挑戦しなかったら得られなかったことはありますか?
まず、挑戦する事で得られた事は、新しい事へ挑戦する楽しさだとか、効率的な仕事をする事の重要性を改めて感じた事です。改めて、基本の大切さなどを得る事が出来ました。

挑戦しなかったら、国内外を問わずコンクールを通して出来た人と人とのつながりは、現在のように得られていなかったでしょう。 
コンクールを通して出来た人と人とのつながりは今後パティシェという仕事を続けていく上で自分にとって何事にも変えられない財産になりました。




毎大会ごとに、新たな技に魅了され、進化を遂げてきたチョコレート・ピエスモンテ。
いよいよ、開会まで2週間を切った、WPTC2008 でも、更なる進化を遂げるに違いありません。
チームJAPAN では、藤田シェフを中心にチョコレートピエスモンテの制作が行われます。
藤田シェフの活躍を皆さんで応援しましょう!




解説:WPTCJAPANオフィス 浦和ロイヤルパインズホテル 朝田氏
文:WPTCJAPANオフィス 上村氏 
編集:株式会社アニー  山田
Posted at 15:24 | '08 WPTC2008とは? | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008を徹底分析   ---lesson 6---     2008年07月28日(月)

---lesson 6--- 
パスティヤージュ・トレイ    



パスティヤージュというのは粉糖と卵白、ゼラチンで作るパーツのことを言います。混ぜて、薄くのばして、乾燥させます。一昔前の飴細工ではパスティヤージュが主体になったものも多 かったのですが、今は添え物的に使われることが多いようです。

WPTCでは一時期ほどたくさん使われなくなったパスティヤージュを、プティガトーを並べるためのトレイとして規定に入っています。ルールは以下のとおりです。
下記がパスティヤージュとシュクル・タッセについての条項となります。







--------------------------------------------------
A. すべてのチームは各自のパスティヤージュならびにシュクル・タッセを8月28日、ゲイロード・オープリーランド・ホテルにて作らなくてはならない。各チームはまず混ぜ込む時間を与えられ、それから、パスティヤージュと押しあめを作るものとする。ミキシングの時間は30分を超えてはならず、製作時間は一人のメンバーにより5時間以内に限られるものとする。


B. パスティヤージュ製作室は電子レンジが備えられており、指定された時間のみ使用することができる。もし、与えられた時間以上に電子レンジを使用したいのであれば、部屋の監視官の裁量により、他のチームメンバーの作業を妨げないことを考慮して、許可される。各チームには作業台(72インチx30インチ、183cmx76.2cm)、フルサイズ天板のスピードラック、ならびに天板が用意される。各チームは水を含むすべての材料をパスティヤージュ製作室に持ち込まなくてはならない。各チームは2008年7月10日までに、パスティヤージュ製作室内で使用する電気製品の容量がオーバーしないように、その機材リストを事務局に送り、許可を得ること。


C. パスティヤージュと押しあめは、一種類の色だけであれば事前に色付けができる。マーブル模様も許可される。


D. 作業後、大会本番までの2日間の内(8月29日、30日)、各チームはパーツを反転させたり、ヤスリをかける時間として、2時間を与えられる。もしチームが反転させたり、ヤスリをかけるための時間として2時間以上希望するのであれば、事務局に2008年7月10日までに申し出ること。審査委員長に確認をとった後、時間の追加が可能であるかどうかを知らせるものとする。


E. 主催者の面前で製作され、保存されたパスティヤージュのパーツが、主催者の事故または不注意により破損した場合のことを考慮し、各チームは白または着色され、カットしヤスリで磨かれたパスティヤージュのパーツ一式を持ち込むことができる。そのパーツは、チームが主催者の面前で製作したパーツがチームの過失ではなく破損してしまったことを、審査員が認めた場合のみ、使用を許可される。


F. すべてのパーツの組み立てとエアブラシまたはその他着色は、主催者の面前で作られたものであれ、予備で持ち込まれたものであれ、大会本番中に審査員の面前でなされなくてはならない。
-----------------------------------------------------------------------



パスティヤージュトレイのサイズ、形などには何の規定もありません。大切なポイントは、3種類のプティガトーを各5個、計15個を載せるということと、飴細工とチョコレートピエスの真ん中に飾るものであるということ。そしてもっと重要なことはパスティヤージュのパーツを成型する時間が5時間しかなく、乾燥させるのに3日間しかないこと。

パスティヤージュというのは、混ぜて、成形したものをしっかりと乾燥させて、紙やすりで磨きをかけて使います。しっかりと乾燥していれば、流し飴などよりもずっと丈夫だし、着色したりできるので、昔は飴細工のピエスではパスティヤージュを芯に使って、その周りに飴を引いた花とかを飾ることが多くありました。


しかし、そういった感覚でWPTCのパスティヤージュトレイに挑むことはできません。たった5時間の成形時間で、たった3日間の乾燥時間でできることというのは限られているからです。WPTC最初の2回の大会はラスベガスで、前回の第3回大会はフェニックスで行われました。どちらも砂漠の真ん中で、日本では考えられないくらい乾燥した土地です。それでもたった3日間ですべてを乾燥させるのはとても大変です。3日間のうち、途中で紙やすりで磨く時間を計算すると薄くて小さいパーツしかできないし、そんな薄くて小さいパーツを合わせてプティガトーを15個のせて、飴とチョコレートのピエスの真ん中に置いて見栄えのするものをつくるというのは、実はかなり大変な作業なのです。

そのような環境の下、前回大会でシュガーピースと共にパスティヤージュ・トレイのデザインとパーツ制作を担当された林シェフに、お話を伺いました。 














前回パスティヤージュ・トレイの準備をしたとき、一番最初に考えたのはどのようなことですか?
『まず、WPTCの時間の制限を考える必要があります。3日前に作業時間が設けられ、2日間の乾燥期間が設けられます。大会2日目に実際組み立てをやっていくわけですから乾燥させることが出来る期間は中3日になります。パーツの厚みは最も厚いもので4mm、薄いもので1mm。この期間でこれらのパーツを100%乾燥させるのは無理なので、しっかり乾燥していない状態のパスティヤージュでも成形ができる形をまず考えます。強度や立て方を工夫したりしましたね。柱を1本にするのではなくて何枚かのパーツでひとつの柱を作っていくことで、乾燥しやすいように薄く作ったパスティヤージュのパーツでも強度のあるものにすることが出来ますよね。
また、パスティヤージュで作っているのは、あくまでもプティ・ガトーを飾るトレイであることを忘れてはいけません。正面から見た時に全てのガトーが生きるようにならなきゃいけない。ガトーの形によってもトレイの形は変わってくるはずです。そういったことを踏まえて、どういうデザインが出来るかを考えていきました。』



アメピエスを作ることとパスティヤージュだけでピエスを作ることの大きな違いはなんですか?
『アメ細工だと、いろんな質感を出すことが出来ますよね。ツヤを出すことも、透明感を出すことも、マットな感じに仕上げることも・・・ パスティヤージュの場合は出せる質感が限られてしまうんです。透明にすることも、ツヤ感をだすことも 光を生かすことも出来ないんです。だからと言ってパスティヤージュはダメかと言うとそうではなくって、真っ白でマットな質感のパスティヤージュだからこそ表現できることもたくさんあるんですよね。白の中でも、表面をつるっと仕上げたり、ざらざらさせたり、表面の質感を出しやすいし、“真っ白”だからこそ色をつけたときにその色を表現しやすくなったりします。前大会での作品は、白いパーツのものと、成形後に色を吹き付けたものと、色をつけてから成形したものとを作りましたが、色をつけるタイミングの違いだけでも大きく質感を変えることが出来ました。
“真っ白”を表現できることは最大の利点であったりもしていて、その利点を生かした作品を作るとパスティヤージュのピエスはとても有効的に機能します。』



短い時間で作業することを踏まえて、どのような工夫をされますか?
『WPTCでは、パーツつくりの時間は5時間と限られています。またモンタージュの時間にも無駄があってはいけません。しかも組み立てる作業をするのは、前大会では武藤さんが担当されていて、パーツつくりをした人と違う人が行っていました。そんな中で、いかに効率的に作業することができるかを考えなければいけません。全大会では、トレーにパーツを並べていったのですが、そのトレー全てに番号をふっておきました。どのトレーに何のパーツを乗せるかを決めておいて、その通りにパーツを仕上げていくことにしました。こうすることで少しの迷いの時間も削減されました。組み立てのときも、トレーの番号の順に組み立てをしていけば出来あがるように、あらかじめ考えておきましたね。』


現代的なパスティヤージュ・ピエスを作るためのアドバイスを下さい。
『例えば、アメやショコラピエスでは、どんどん進化を遂げているのですが、パスティヤージュに関しては、ピエスとして技術の進歩って言うのはそれほどないんですよね。でも、あまり進歩がないだけに新しいものを作り出せる要素はたくさん残っていると思うんですよ。だから、僕の場合はまず色々なことに挑戦してみます。全大会のパスティヤージュ・トレイに球体のものを使ったのですが、あのパーツなどは自分の新たな実験から進展させたパーツでした。小さくお団子状に丸めたパスティヤージュを電子レンジで温めるんです。そうすると、中が空洞になって大きな風船状に膨らみます。レンジから出すと空気が冷やされて、風船がしぼんでぺっちゃんこになるでしょう。そのパスティヤージュっていうのは、手では綺麗に伸ばすことが出来ないほど薄いものになるんですよ。しわのよった感じが残ってしまうものの その質感も新しいし、軽いパーツを作ることが出来ることは何よりも効果的でしたね。デザイン的には、特に建築の技法を学んだわけではないのですが、デパートのディスプレイなんかは参考にしています。あとは経験値を増やすこと。たくさん作っているうちに、作ることが出来ますよ。』















最後に、林シェフのパスティヤージュの配合を教えていただきました。
参考にしてくださいね。

   300g   粉糖
   185g   コーンスターチ
    60g   ゼラチン (粉末で硬度の高いもの)
   375g   お湯




ただ、世界でトップをねらうパティシエ達は、そんな厳しい環境だからこそ、新しい技術を生み出して、新しい作品を生み出してきます。今度の第4回大会が特に厳しいのは開催地ナッシュビルがとても湿度が高い町であるということで、簡単には乾燥してくれそうにありません。そんな条件で開催される第4回大会で、世界のシェフたちは今度はどのような作品を見せてくれるのでしょうか。





解説:WPTCJAPANオフィス 氷川会館 林氏
文:WPTCJAPANオフィス 上村氏 
編集:株式会社アニー  山田
Posted at 11:15 | '08 WPTC2008とは? | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008 チームJAPAN 最新情報     vol 7 2008年07月22日(火)

WPTC2008 チームJAPAN 最新情報     vol 7



7月17日(木)・18日(金)の2日間、WPTC2008 チームJAPANの11回目となる練習会が行われました。

大会本番まで、いよいよラスト1ヶ月というところ。チームJAPANの作品の全貌がおおよそ固まったようです。

川村シェフがメインで担当されるシュガーピース。色もスタイルもほぼ完成形といえるのではないでしょうか。今回の練習も高湿度と言う悪環境。モンタージュにかかる時間は湿度によって大きく前後してしまうのだそう。些細な時間のロスも命取りになってしまうWPTCと言う大会において、当日の環境によってどう対応していくかも今後の課題になっていくのではないでしょうか。
藤田シェフの担当されるチョコレートピースについては、「あとは色をどう持っていくか・・・」と言うお話をされていましたが、いよいよ色も決定したもよう。
それぞれの色が決定したことで、パスティヤージュ・トレイと3体を並べたときのバランスはさらに素晴らしいものとなりました。

ガトーについては、いよいよ今月末にはレシピの提出を控えています。
最後まで、試行錯誤の続いたアントルメ グラッセも完成し『時間はかかったが最高のものが出来た』と和泉シェフも納得の作品。審査員に提供する「一番おいしい温度」も決定したのだそう。
アシェット・デセールも3人とも「本当においしいですよ!」と自信のひと皿になりました。

今週末の練習を経て、味覚部門のレシピを提出することになります。
これまで、比類なき向上心をもって幾度も試作を重ねてきたチームJAPAN。レシピ提出の締切りぎりぎりまでおいしさへの追求がなされることでしょう。

完成の形を楽しみに・・・私達も最後までチームJAPANを応援をしたいと思います!



Posted at 18:43 | '08 チームJAPAN | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008を徹底分析   ---lesson 5・2---     2008年07月08日(火)

---lesson 5・2--- 
プティ・ガトー    


前回大会で味覚を担当した武藤シェフのガトーを、『本当に素晴らしいバランスだった』と賞される中島シェフ。
中島シェフは、WPTCとしての第1回大会に出場されたメンバーのお一人。これまでの大会をご自身の経験からチームJAPANをサポートされてきた中島シェフはどのようにプティガトーについて考えてらっしゃるのでしょうか。4つの質問に答えていただきました。



コンクール向けのプティガトーを考えるときに、一番はじめに考えるのはどんなところですか?素材ですか?組み立て方ですか?

『まず考えるのは、作る人 つまり自分が一番おいしいと思う組み合わせです。
組み合わせを考えるうえで大切なことは、もちろん自分のアイディアや感性といったものですが、伝統的な組み合わせを見聞することがアイディアを生み出すために大切なことだと思います。
古くからの組み合わせというものを見聞していくと、基本となる仕事の技術や味の組み立て方というものが見えてきます。こういったことがわかったうえで、自分を表現する組み合わせをつくり出せるようになりました。
また、コンクールという観点より考えると 審査員の五感を刺激するものを取り入れることが重要になります。
「目で見て」・「香りを感じて」・「口の中に入れたときのテクスチャー」でインパクトある組み合わせを作る。ほとんどに審査員がひと口程度しか食べない中で、そのひと口で何のお菓子かパッとわかるようにすることも重要なことです。』




チョコレートのプティガトーとフルーツのプティガトーを一緒に食べてもらわなくて
はならないとき、どのようなことに注意されますか?

『WPTCでは、3種のプティガトーを作りますが、個々の完成度も3つを食べたと時のバランス感、満足感も重要です。
チョコレートのプティガトーとフルーツのプティガトーに関してはそれぞれの特徴を生かしたものである必要があります。
甘みの差や酸味の差、塩分の入れ具合やテクスチャーの差をしっかりと出して、2つのガトーに特徴を持たせます。
チョコレートのプティガトーであれば、甘みはそれほど強調せず、ガナッシュ、生地、クリームやムース、食感を表現するものなどそれぞれの食感のバランスを生かします。前回の武藤シェフがつくったチョコレートのプティガトーなどはその食感を持って完璧に特徴を表現したプティガトーでした。
また、“チョコレート”とひとくくりにしていますが、1種類のものだけで構成するもの、パーセンテージの違うチョコレートを使い分けたり、ブレンドしたりすることでさまざまなお菓子を構成することが可能になります。
フルーツのプティガトーの場合は、フルーツの味やうまみを強調するために甘さをしっかり付けます。それだけではなく、テーマとなるフルーツは1種にします。ただ、1種類のフルーツのみで構成するのではなく、主体となるフルーツの味を引き立てる素材をブレンドするようにするのです。たとえば、マンゴーのムースを作るときはパパイヤやレモンで味を加えることでより、マンゴーがマンゴーらしく引きたちます。バナナならアボガドを少し加えてみたり。イチゴなら、フランボワーズやフレーズデボアを合わせたり。
この組み合わせ、引き立てるために加えるものを決めるのは、経験や見聞の中から生まれてきます。中でも基本となる考え方としては、「赤い実には赤い実のもの」、「トロピカルフルーツにはトロピカルフルーツを」「エキゾチックなものにはエキゾチックなものを」と共通点のあるものを合わせてやること。
さらに、私ならフルーツのプティガトーには余計な食感は組み込まないようにしますね。
こうすることで、チョコレートのプティガトーと同じタイミングに食べる審査員にもしっかりと違いをアピールすることができるでしょう。それだけではなく、どちらも印象付けることができるのではないでしょうか。』




プティガトーに食感を与える時、どのような構成から考えますか?ムースを主にして、ビスキュイを考えますか?ビスキュイを主にして、ムースその他を考えますか?
『それは、ケーキによってさまざまではあるのですが、まずは何をおいしいと感じてもらうお菓子にしたいかということ。次に食べる人にそう感じてもらうための構成を考えていきます。
先ほどもお話ししたように、例えばチョコレートのガトーであれば生地・ガナッシュ・クリーム・ムース・シャンティイショコラ・クルスティアンなどさまざまな食感のパーツがありますが、下から食感の重たいものを組み立てていくのが基本となるでしょう。フルーツのガトーであれば、フルーツの香りやうまみを出すためのムースやクリームを使用することを決定した後に、生地を合わせるか パートシュクレ等を合わせるかを考えていきます。
こうしてパーツをチョイスしていくときに気をつけた方がよいことは、コンクールの場合は特に 審査員がフォークでガトーをひと口分すくいあげるということ。 そのひと口でガトーのおいしさを伝えることが出来る構成にすることは必須です。また、ひと口をすくいあげにくかったり、そのあとの断面が汚くなってしまったりということでストレスを与えないようにすること。シュクレなどを使うときには、特に気をつけることが必要です。食感を強調するために底に堅い生地を持ってきたガトーの場合、フォークを入れたときにお皿にあたったフォークが「カツン」と音を出してしまうこともストレスのひとつになるので気をつけたいものです。シュクレ生地であってもほろっと崩れるようなものを合わせたり、ムースなどから染み出る水分量で審査員が食べるタイミングには適度に水分を含んだ状態になるように調整したりというところまで気をつけることも必要です。』




世界を意識するプティガトーを作るとき、日本のお客様向けに作るときと比べて、大きく違う点はありますか?
『WPTCなど世界のコンクールでは、やはり世界的な基準があると思います。さまざまな国のパティシエ・審査員がいる中で、基準とされるのはフランスのお菓子になるのではないでしょうか。甘みの基準などは、日本では少し甘みが強いと感じられるものでもフランスではスタンダードだったりします。また、ひと口でそのケーキはどういうものかを伝えることができる味のインパクトが必要です。ハーブや胡椒、塩の利かせ方や、キャラメルの焦がし具合など、フランスのお菓子や世界のトップレベルのお菓子を食べることによって、自分で世界の基準を感じてみます。そのガトーの素材の活かし方はどのようにされているかを研究します。
ホテルニューオータニ内にある“パティスリーSATSUKI” には、日本素材を使ったケーキを多く並べています。ホテルという環境柄 海外からのお客様をお迎えするお店の中で、日本の素材を使ったガトーを提供することで日本の食文化を知っていただくきっかけにもなっています。しかし、コンクールにおいては日本の素材を使ったとき審査員がその素材が何かわからなければ、評価としては下がってしまいます。現段階で世界のコンクールでも通用し得る和素材はお茶・抹茶くらいなのではないでしょうか。』





最後に、これからコンクールに挑戦しようとされているパティシエの方に向けて メッセージをいただきました。
『以前、ピエールエルメ氏から聞いたことですが「お菓子を作る事は”味の建造物を構築する事である”」と。基礎となる地盤をしっかり作り、そして柱となる味の組み立てを構築する。必要としない物は勇気を持つてとり除いて行くという考え方を意識してお菓子つくりをするとデザインもシンプルで味の構築も上手くいく場合が多くあります。
味の組み立てをする中で、重要なのはやはり“基本である”とエルメ氏もおっしゃっていました。あれだけの独自の組み合わせを表現していく彼がもっとも大切にしているものが伝統や古くのレシピや技術であること。自分のアイディアや感性がもちろん大切ではあるけれど、基本が大切であることが彼を見ていると良くわかります。
これからコンクールを目指している方に古くの文献を読むこと、基本の技術ができること、そして世界トップレベルのお菓子をたくさん食べて、どのようにそのお菓子が表現されているか、どうすればその素材の良さを引き出すことができるかを研究していっていただきたいですね。』






解説:WPTCJAPANオフィス ホテルニューオータニ 中島氏
文:WPTCJAPANオフィス 上村氏 
編集:株式会社アニー 山田









WPTC2008チームJAPAN を応援しに行こう!応援ツアー詳細は・・・
↑こちら↑をクリック!!

   
Posted at 11:28 | '08 WPTC2008とは? | この記事のURL
前へ | 次へ

WPTC2008を徹底分析   ---lesson 5・1---     2008年07月07日(月)

---lesson 5・1---  
プティ・ガトー


プティガトーは下記のとおり作らなくてはなりません。
-----------------------------------------------------------------------
A. 各チームは下記事項に沿って、3種類のプティガトーを製作しなくてはならない。
・フルーツのプティガトー1種類
・チョコレートのプティガトー1種類
・残りの1種類は自由

B. 各チームは各13個、合計39個のプティガトーを下記のように仕込むこと。
・ 各プティガトーは5個ずつ、計15個をブッフェ台に乗せるためにパスティヤージュ製トレイの上に盛り付けられなければならない。(ルール11条パスティヤージュ・トレイを参照) パスティヤージュ・トレイは仕事/芸術性の審査員によって、別に審査される。
・ 各6個、計18個のプティガトーは試食用として準備される。
・ 各種類1個ずつ(合計3個)は6枚の小さなトレイにそれぞれ置き、6人の試食担当
の審査員がそれぞれ1枚ずつ受け取る。(つまり、6枚のトレイに3つずつなので、合計18個)
・ 各1個のプティガトーはディスプレイトレーに置き、主催者のバックアップ用として取っておく。
・ 各1個のプティガトーは写真用とする。

C. プティガトーの形は選手の自由選択とする

D. プティガトーの大きさは80〜100グラムに収まるものとする。
-----------------------------------------------------------------------


WPTCにはチョコレートのアントルメもチョコレートのプティガトーもあって、何が違うのだろう、と思われるかもしれません。
単純なところでは、アントルメの場合は必ずカットされなくてはいけませんし、またアントルメだけを食べます。プティガトーの場合、アントルメは3種類が同じお皿に乗せられて、そのまま審査員に運ばれます。だから、プティガトーの場合は3つを順番に食べたときにちょうど良い構成になっている必要があります。
これはあくまで個人的な考え方ですが、アントルメの場合には一つを食べたときにチョコレートと、それ以外の素材が、それぞれがしっかりと主張し、かつ絶妙なマリアージュを見せなくてはいけません。それに対して、WPTCのプティガトーは、ひとつひとつのプティガトーがチョコレート、フルーツ、その他をしっかりと主張し、そして3つ食べたときにちょうど良い満足感を得られることが必要です。

さらに、チョコレートのプティガトーであればチョコレートがしっかりと主張されるべきで、その他の素材はあくまでチョコレートを引き立てる役割であるべきです。フルーツのプティガトーはあくまでフルーツが前面に出て、その他の素材は引き立て役になるべきです。









たとえば、前回日本チームが作ったチョコレートのプティガトー(”OROCHI”)はチョコレートのサブレ、板チョコ、チョコレートのムース、ガナッシュというとてもシンプルな構成です。これ以上ないくらいシンプルな構成です。使っているチョコレートも66%のもの1種類。基本は同じ味ですが、生クリームの増減や食感の違いだけでアクセントを生み出しています。まさにチョコレートを味わってもらうためのプティガトーです。これだけシンプルになると、配合が1g単位で違うだけで出来上がりがガラッと変わってきます。もちろん、配合以上に大切なことは作り方で、実はここで使われているガナッシュの配合は55%のショコラノワール1に対して、35%の生クリーム1という基本の配合です。それを66%で計算しなおしただけで、特殊なレシピを生み出して、チョコレートの味を深めたというわけではありません。基本の仕事を組み合わせることで、新しいお菓子を作り上げるという、パティシエの仕事の真髄を見るような気がします。

アントルメはカットしなくてはいけない、という話を最初にしましたが、これも実は大きな意味があります。アントルメは審査員がカットしやすい構成になっていなくてはならないということは、その構成には何らかの制限は出てくるわけです。その制限がプティガトーではまったくありません。たとえば、前回のチョコレートのプティガトーはサブレとチョコレートの板をチョコレートのクリームとムースで重ねただけですが、これは食べるために崩すような感じでカットしていくことは可能ですが、包丁できれいに8等分にすることは不可能です。つまり、アントルメでは再現できない面白い構成を考えることができるのです。たとえば、ケーキの表面に大きな穴をあけて、その中にゆるいソースを流しておくとか、カットできないくらい柔らかいサブレ生地を使うとか。デザートほどではないにしても、自由な発想でケーキをデザインすることができます。

味覚の点でいえば、基本的にはアントルメで書いたことはそのまま当てはまると思います。どこか違うのかというところでも書きましたが、NYのMOF ジャック・トレスさんに言われたことを流用すると
 1.2-3種類のシンプルな味の組み合わせ
 2.素材の味をしっかりと出すこと。
 3.適度な食感を与えること。

前回のフルーツのプティガトーはカシスの風味を前面に押し出したもの(”SHIBI”)ですが、酸味の強いカシスをバヴァロワとイタリアンメレンゲでうまくバランスがとられていました。
本番でこのプティガトーを試食した加藤代表は『いつもの練習のときには冷蔵庫に入っていたのを食べてたんだけど、今回は仕上がったものがすぐに出てきたから、周りのイタメレが常温でほわっと口で溶けて、次に中のムースがあって、最後にサクッとしたシュトロイゼルがきて、うまいんだよ!これはいった!と思ったよ。』と興奮気味に話していました。
加藤さんの隣にいたMOFローラン・ル・ダニエルさんも、敵ながらあっぱれ、と思ったのか、一口食べてこちらに向けて親指を立てていました。温度差をつけたプティガトーというのも、店売りでは出来ない、コンクールだから出来る作品だと言えます。

フルーツのプティガトーについては、もう一つポイントがあって、WPTCで最も気をつけなくてはいけないのが素材の選び方で、アメリカで行う大会に出場する際に、日本で使っている新鮮なフルーツを使うことはできないことを肝に命じなくてはいけません。確かにアメリカで食べるイチゴやモモはおいしいですが、でも日本のものとは全く違うので、それを想定したレシピを作ることができません。1gの違いがおいしさを分ける大会においてこれは致命的です。ですから、武藤さんはフレッシュのフルーツを一切使わないで、フルーツのプティガトーを作ることにこだわりました。ムース、イタメレ、バヴァロワなど、すべて珍しい素材や新しい技術は一切使っていませんが、しかしながら、これほどカシスの味が嫌みなく前面に押し出されているお菓子は食べたことがありませんでした。

ちなみに、もう一つのプティガトー(”YAMABUKI”)はヘーゼルナッツ、オレンジ、ミルクチョコレートの組み合わせです。これもすべての素材がしっかりと主張され、かつ素晴らしいマリアージュを実現したプティガトーです。フルーツでもチョコレートでもない分野でなくてはならないと考えると、文句のつけようのない構成でした。

プティガトー全体を改めて考えると、やはり本当に1g単位の細かい配合の違いがお菓子の出来を左右するのだなと実感します。フルーツのプティガトーを試食したときに、武藤さんが「10gだけ砂糖を増やした」と言われたものが、その前の時よりもずっとフルーツの味とフレッシュ感がましていたときに、とても驚いたことが記憶に残っています。フルーツの味を前面に出すときに、砂糖を減らすのではなく、増やしたのです。お菓子作りの本質を感じます。

武藤さんが作った3種類のプティガトーは、チョコレート、フルーツ、その他、の順番で食べる時に、全く無理なくすべてを食べ終えることができます。シンプルで味の強いチョコレートのお菓子を食べても、全く負けることのないフルーツのお菓子、そして、最後にまったりと味わえるもう一つのお菓子。この3種類のプティガトーはフランスを打ち負かし、見事第1位を獲得しています。
▲前回のチームJAPANのレシピはこちら。



ジャックとNYで話したときに「シンプルで、しっかりした味で、適度な食感を出せ」と言った時に、正直「それで勝てたら苦労しないよ」と思ったのですが、でも その3つを完全に突き詰めた武藤さんのお菓子を実際に味わい、そしてそれが世界1位を獲得したときに、パティシエの仕事とはいつも使っている素材を使って、その素材感をさらに突き詰めて新しい味を生み出すことなのではないか、と思い到りました。


次回 lesson 5・2 では、WPTCオフィスメンバーでホテルニューオータニ シェフパティシエ 中島氏にプティガトーについてお話を伺います。
ご自身のWPTCをはじめコンクールでの経験を踏まえた、中島氏のお話も必見です。






WPTC2008チームJAPAN を応援しに行こう!応援ツアー詳細は・・・
↑こちら↑をクリック!!
Posted at 11:24 | '08 WPTC2008とは? | この記事のURL
前へ | 次へ