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WPTCとは?

WPTCとは?
WPTCとは、2年に1度アメリカで開催されている製菓の国際コンクールです。いわば、お菓子のワールドカップ!
2008年度で4回目を迎え、フランス リヨンで隔年開催されている“クープ・ド・モンド ドゥ ラ パティスリー”と並び、世界のトップパティシエから近年注目を集めているコンクールです。



大会概要について


WPTC2008チームJAPANメンバーは・・・


WPTC JAPANオフィスメンバーの紹介


WPTC 大会結果一覧

WPTC大会の様子

WPTC2008を徹底分析   ---lesson 5・1---     2008年07月07日(月)

---lesson 5・1---  
プティ・ガトー


プティガトーは下記のとおり作らなくてはなりません。
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A. 各チームは下記事項に沿って、3種類のプティガトーを製作しなくてはならない。
・フルーツのプティガトー1種類
・チョコレートのプティガトー1種類
・残りの1種類は自由

B. 各チームは各13個、合計39個のプティガトーを下記のように仕込むこと。
・ 各プティガトーは5個ずつ、計15個をブッフェ台に乗せるためにパスティヤージュ製トレイの上に盛り付けられなければならない。(ルール11条パスティヤージュ・トレイを参照) パスティヤージュ・トレイは仕事/芸術性の審査員によって、別に審査される。
・ 各6個、計18個のプティガトーは試食用として準備される。
・ 各種類1個ずつ(合計3個)は6枚の小さなトレイにそれぞれ置き、6人の試食担当
の審査員がそれぞれ1枚ずつ受け取る。(つまり、6枚のトレイに3つずつなので、合計18個)
・ 各1個のプティガトーはディスプレイトレーに置き、主催者のバックアップ用として取っておく。
・ 各1個のプティガトーは写真用とする。

C. プティガトーの形は選手の自由選択とする

D. プティガトーの大きさは80〜100グラムに収まるものとする。
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WPTCにはチョコレートのアントルメもチョコレートのプティガトーもあって、何が違うのだろう、と思われるかもしれません。
単純なところでは、アントルメの場合は必ずカットされなくてはいけませんし、またアントルメだけを食べます。プティガトーの場合、アントルメは3種類が同じお皿に乗せられて、そのまま審査員に運ばれます。だから、プティガトーの場合は3つを順番に食べたときにちょうど良い構成になっている必要があります。
これはあくまで個人的な考え方ですが、アントルメの場合には一つを食べたときにチョコレートと、それ以外の素材が、それぞれがしっかりと主張し、かつ絶妙なマリアージュを見せなくてはいけません。それに対して、WPTCのプティガトーは、ひとつひとつのプティガトーがチョコレート、フルーツ、その他をしっかりと主張し、そして3つ食べたときにちょうど良い満足感を得られることが必要です。

さらに、チョコレートのプティガトーであればチョコレートがしっかりと主張されるべきで、その他の素材はあくまでチョコレートを引き立てる役割であるべきです。フルーツのプティガトーはあくまでフルーツが前面に出て、その他の素材は引き立て役になるべきです。









たとえば、前回日本チームが作ったチョコレートのプティガトー(”OROCHI”)はチョコレートのサブレ、板チョコ、チョコレートのムース、ガナッシュというとてもシンプルな構成です。これ以上ないくらいシンプルな構成です。使っているチョコレートも66%のもの1種類。基本は同じ味ですが、生クリームの増減や食感の違いだけでアクセントを生み出しています。まさにチョコレートを味わってもらうためのプティガトーです。これだけシンプルになると、配合が1g単位で違うだけで出来上がりがガラッと変わってきます。もちろん、配合以上に大切なことは作り方で、実はここで使われているガナッシュの配合は55%のショコラノワール1に対して、35%の生クリーム1という基本の配合です。それを66%で計算しなおしただけで、特殊なレシピを生み出して、チョコレートの味を深めたというわけではありません。基本の仕事を組み合わせることで、新しいお菓子を作り上げるという、パティシエの仕事の真髄を見るような気がします。

アントルメはカットしなくてはいけない、という話を最初にしましたが、これも実は大きな意味があります。アントルメは審査員がカットしやすい構成になっていなくてはならないということは、その構成には何らかの制限は出てくるわけです。その制限がプティガトーではまったくありません。たとえば、前回のチョコレートのプティガトーはサブレとチョコレートの板をチョコレートのクリームとムースで重ねただけですが、これは食べるために崩すような感じでカットしていくことは可能ですが、包丁できれいに8等分にすることは不可能です。つまり、アントルメでは再現できない面白い構成を考えることができるのです。たとえば、ケーキの表面に大きな穴をあけて、その中にゆるいソースを流しておくとか、カットできないくらい柔らかいサブレ生地を使うとか。デザートほどではないにしても、自由な発想でケーキをデザインすることができます。

味覚の点でいえば、基本的にはアントルメで書いたことはそのまま当てはまると思います。どこか違うのかというところでも書きましたが、NYのMOF ジャック・トレスさんに言われたことを流用すると
 1.2-3種類のシンプルな味の組み合わせ
 2.素材の味をしっかりと出すこと。
 3.適度な食感を与えること。

前回のフルーツのプティガトーはカシスの風味を前面に押し出したもの(”SHIBI”)ですが、酸味の強いカシスをバヴァロワとイタリアンメレンゲでうまくバランスがとられていました。
本番でこのプティガトーを試食した加藤代表は『いつもの練習のときには冷蔵庫に入っていたのを食べてたんだけど、今回は仕上がったものがすぐに出てきたから、周りのイタメレが常温でほわっと口で溶けて、次に中のムースがあって、最後にサクッとしたシュトロイゼルがきて、うまいんだよ!これはいった!と思ったよ。』と興奮気味に話していました。
加藤さんの隣にいたMOFローラン・ル・ダニエルさんも、敵ながらあっぱれ、と思ったのか、一口食べてこちらに向けて親指を立てていました。温度差をつけたプティガトーというのも、店売りでは出来ない、コンクールだから出来る作品だと言えます。

フルーツのプティガトーについては、もう一つポイントがあって、WPTCで最も気をつけなくてはいけないのが素材の選び方で、アメリカで行う大会に出場する際に、日本で使っている新鮮なフルーツを使うことはできないことを肝に命じなくてはいけません。確かにアメリカで食べるイチゴやモモはおいしいですが、でも日本のものとは全く違うので、それを想定したレシピを作ることができません。1gの違いがおいしさを分ける大会においてこれは致命的です。ですから、武藤さんはフレッシュのフルーツを一切使わないで、フルーツのプティガトーを作ることにこだわりました。ムース、イタメレ、バヴァロワなど、すべて珍しい素材や新しい技術は一切使っていませんが、しかしながら、これほどカシスの味が嫌みなく前面に押し出されているお菓子は食べたことがありませんでした。

ちなみに、もう一つのプティガトー(”YAMABUKI”)はヘーゼルナッツ、オレンジ、ミルクチョコレートの組み合わせです。これもすべての素材がしっかりと主張され、かつ素晴らしいマリアージュを実現したプティガトーです。フルーツでもチョコレートでもない分野でなくてはならないと考えると、文句のつけようのない構成でした。

プティガトー全体を改めて考えると、やはり本当に1g単位の細かい配合の違いがお菓子の出来を左右するのだなと実感します。フルーツのプティガトーを試食したときに、武藤さんが「10gだけ砂糖を増やした」と言われたものが、その前の時よりもずっとフルーツの味とフレッシュ感がましていたときに、とても驚いたことが記憶に残っています。フルーツの味を前面に出すときに、砂糖を減らすのではなく、増やしたのです。お菓子作りの本質を感じます。

武藤さんが作った3種類のプティガトーは、チョコレート、フルーツ、その他、の順番で食べる時に、全く無理なくすべてを食べ終えることができます。シンプルで味の強いチョコレートのお菓子を食べても、全く負けることのないフルーツのお菓子、そして、最後にまったりと味わえるもう一つのお菓子。この3種類のプティガトーはフランスを打ち負かし、見事第1位を獲得しています。
▲前回のチームJAPANのレシピはこちら。



ジャックとNYで話したときに「シンプルで、しっかりした味で、適度な食感を出せ」と言った時に、正直「それで勝てたら苦労しないよ」と思ったのですが、でも その3つを完全に突き詰めた武藤さんのお菓子を実際に味わい、そしてそれが世界1位を獲得したときに、パティシエの仕事とはいつも使っている素材を使って、その素材感をさらに突き詰めて新しい味を生み出すことなのではないか、と思い到りました。


次回 lesson 5・2 では、WPTCオフィスメンバーでホテルニューオータニ シェフパティシエ 中島氏にプティガトーについてお話を伺います。
ご自身のWPTCをはじめコンクールでの経験を踏まえた、中島氏のお話も必見です。






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Posted at 11:24 | '08 WPTC2008とは? | この記事のURL
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